豚肉・牛肉の再冷凍は大丈夫?鶏肉との違いを調理師が説明します

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こんにちは。
大阪で一人暮らしをしている、調理師でFPのとまきちです٩( ᐛ )و

鶏肉の再冷凍について書いた後に、豚肉や牛肉ではどうなのかという質問が届いたので、今回はその質問にお答えしようと思います。
結論から言うと、再冷凍していい線は、豚も牛も鶏と同じ「半解凍まで」です。
ただし、解凍したあとの扱いは、豚と牛で変わります。

この記事では、線が同じ理由と、豚と牛で変わるところを分けて書きます。

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目次

結論 線は3つだけ覚えれば大丈夫です

豚肉・牛肉・鶏肉の再冷凍の線と火の通し方の比較
  • 中心がまだ凍っている「半解凍」なら、豚も牛も冷凍室に戻してかまいません
  • 完全に解けたら、生のまま戻さず、火を通してから冷凍します
  • 豚肉は中心まで加熱が必須。牛肉はかたまりなら表面、こま切れやひき肉は中心まで

3つ目が、豚と牛の違いです。
再冷凍そのものより、そのあとどう火を通すかが分かれ目になります。

肉の種類と形再冷凍していい線火の通し方
豚肉(かたまり・とんかつ用・スライス)半解凍まで中心部までしっかり加熱。生焼けはだめです
豚こま・切り落とし半解凍まで(早めに判断)中心部までしっかり加熱
豚ひき肉半解凍まで(いちばん手前)中心部までしっかり加熱
牛肉(ステーキ・かたまり)半解凍まで表面をしっかり焼けば、中が赤くても食べられます
牛こま・切り落とし半解凍まで(早めに判断)中心部まで火を通すほうが安心です
牛ひき肉・成形肉半解凍まで(いちばん手前)中心部まで必ず加熱

成形肉というのは、細かい肉を結着させて1枚に成形したものです。
「牛肉加工品」「やわらか加工」などと表示されています。

再冷凍の線が、豚も牛も鶏と同じ理由

冷凍は、菌を殺す方法ではありません。
低い温度で、菌が増えるのを止めているだけです。
だから、解けた場所から、菌はまた増え始めます。

中心が凍ったままの半解凍なら、肉全体の温度はまだ低いままです。
この状態で冷凍室に戻すぶんには、菌が増える時間をほとんど与えていません。
これは豚でも牛でも同じで、肉の種類では変わりません。

半解凍の鶏むね肉を切った断面
半解凍の状態。中心はまだ凍っていて、包丁はスッと入ります(鶏むね肉で撮影)

変わるのは、肉のどこに菌がいるかです。
かたまりやスライスなら、菌がいるのは切った表面です。
こま切れやひき肉は、その表面が何倍にも増えた状態なので、線はもっと手前に来ます。

📗 鶏肉での基本の考え方と、半解凍の見分け方はこちらに書いています。
▶ 鶏肉の再冷凍は大丈夫?調理師の答えは「半解凍まで」です

豚肉は、中心までの加熱が必須です

豚肉でいちばん大事なのは、再冷凍の可否ではなく、加熱です。

豚肉には、E型肝炎ウイルスや寄生虫が入っている可能性があります。
そのため2015年6月から、豚肉と豚の内臓は、生食用として売ることも出すことも食品衛生法で禁止されています。
お店で豚のレバ刺しが出てこないのは、このためです。

豚肉の加熱の目安
中心部の温度が63℃で30分以上、または75℃で1分以上。
家庭では「切って断面がピンク色でなくなるまで」を目安にしてください。

再冷凍した豚肉は、一度解けて水分が出ているぶん、火の通り方にムラが出やすくなります。
厚みのある肉は、弱めの火でふたをして、中まで火を通すようにしてください。
強火で表面だけ焼き固めると、中が生のまま残ります。

見るところ火が通っているまだ足りない
切った断面全体が白っぽい、または薄い灰色中心がピンク色に残っている
出てくる肉汁透明赤っぽい、にごっている
厚い肉の焼き方弱めの火でふたをして中まで強火で表面だけ焼き固める

牛肉は「表面」と「中まで」を分けて考えます

牛肉は、豚肉ほど厳しくありません。
東京都の食品安全のページでも、ステーキ肉は主に切った表面に食中毒菌がついているので、表面をしっかり焼けば食中毒の可能性を大きく減らせると説明されています。

ただし、条件が2つあります。

① 時間が経つほど、菌は内側にも入ります

表面についた菌は、時間が経つと少しずつ内側へ入っていきます。
解凍して1日置いた牛肉を、レアで食べるのはおすすめしません。
再冷凍して、また解凍した肉なら、なおさらです。

② こま切れ・ひき肉・成形肉は、中まで火を通します

こま切れや切り落としは、切った面だらけの肉です。
成形肉やテンダライズ処理された肉は、機械で刺したり結着させたりしているので、菌が内部まで入っている可能性があります。
これらは中心部までしっかり加熱してください。

牛肉で「レアでいい」と言えるのは、かたまりやステーキ用の1枚肉だけだと思ってください。

牛肉の形どこまで火を通すか理由
ステーキ用・かたまり表面をしっかり焼けばよい菌は主に切った表面にいます
こま切れ・切り落とし中心まで切った面が多く、内側にも菌がつきます
ひき肉中心までひくときに表面の菌が全体に混ざります
成形肉・やわらか加工中心まで機械の処理で菌が内部に入っている可能性があります

一人暮らしは、こま切れと切り落としをよく買います

一人暮らしの買い物では、豚こまや牛の切り落としの出番が多いと思います。
100gあたりの値段が安く、炒め物にも煮物にも使えるからです。

ただ、安いのはたいてい大きいパックです。
私がこの記事のために買ったのも、豚こま切れの大きいパックでした。正味280gで税込295円、100gあたり98円です。
一人分の100gで分けると3回分あるので、1回で使い切れず、残りをどうするかで迷うことになります。

買ってきた日に小分けするのは「再冷凍」ではありません

冷蔵で売られていた肉を、買ってきた日に小分けして冷凍するのは、ただの冷凍です。
まったく問題ありません。
むしろ、いちばん正しいやり方です。

1回分ずつ線を付けて平らにした豚こま切れの袋
買ってきた日に、袋の中で平らにして箸などを使って線を付けておきます。そこで折ることができて使いやすいです。

迷うのは、一度冷凍したものを解凍したあとです。
中心が凍っている半解凍のうちに判断して、完全に解けていたら、その日に火を通してください。

凍った豚こま切れを線のところで折って取り出しているところ
線を付けて凍らせておけば、1回分だけ折って使えます
📗 こま切れやひき肉の小分け冷凍のやり方は、こちらで写真つきで書いています。
▶ ひき肉の再冷凍は大丈夫?3つの場面に分けて調理師が答えました

「解凍」と書かれた肉を、家で冷凍していいか

スーパーの牛肉や豚肉に、小さく「解凍」と書かれていることがあります。
これは冷凍で流通したものを、店で解凍して並べた肉です。

家で凍らせること自体は、買ったその日なら問題ありません。
ただし、二度目の冷凍なので、味と食感は落ちます。
煮込みや炒め物に使うと決めて凍らせるのがおすすめです。

完全に解けてしまったときの戻し方

生のまま冷凍室に戻さず、火を通してから冷凍します。
調理師としておすすめなのは、味を付けてしまう方法です。

解けてしまった肉どうするか使い方
豚こましょうが焼きのたれで炒めて冷凍解凍すればそのまま1品になります
牛切り落とししょうゆ・砂糖・しょうがでしぐれ煮にごはんにのせるだけで食べられます
豚のかたまり塩をして茹でてから冷凍スープにも、切ってそのままにも使えます
ひき肉そぼろにして冷凍丼にも、野菜炒めの味付けにも使えます

一人暮らしだと、「生の肉」で持っているより、「おかずの手前」で持っているほうが使い切れます。
解凍してから味を考えなくていいぶん、料理しない日の負担も減ります。

これは戻さず捨ててください

サインどんな状態か
においすっぱいにおい、アンモニアのようなにおいがする
さわった感じ表面にぬめりがあり、糸を引く
色全体が茶色や灰色に変わっている(真空パックの中で赤黒くなるのは別です)
置いた時間常温に2時間を超えて置いてしまった

最後の1つは、においや見た目に関係ありません。
置いた時間だけで判断してください。

📗 常温に置いてしまったときの線引きは、こちらに書いています。
▶ 鶏肉を常温で解凍してしまったら?調理師の答えは「2時間まで」です

冷凍しても、いつまでも置けるわけではありません

農林水産省によると、市販の冷凍食品でも、家庭の冷凍室では2〜3か月で食べきるのが目安とされています。
家庭の冷凍室は扉の開け閉めが多く、温度が上がり下がりするためです。

家庭で凍らせた生の肉は、それより短いつもりでいたほうが安心です。
再冷凍したものなら、なおさら早めに使います。

何を冷凍したか使い切りたい目安
市販の冷凍食品家庭の冷凍室では2〜3か月(農林水産省)
家庭で冷凍した生の肉それより短め。早めに使い切る
一度解けたものを火を通して冷凍したものさらに早めに

一人暮らしの冷凍室は、そもそも量が入りません。
私が自分の冷蔵庫で測ったときは、公称60Lでも実際に使えたのは41Lでした。
置ける量が少ないほうが、結果として早く回ります。

📗 冷凍室に実際どれだけ入るのかは、自分の冷蔵庫で測って記事にしました。
▶ 一人暮らしの冷凍室、公称60Lでも実際は41Lです。まとめ買いが入らない理由を調理師FPが数字で確かめました

「安いから大きいパック」が得とはかぎりません

FPの目線で書くと、ここは家計の話でもあります。

100gあたり20円安い大パックを買っても、使い切れずに1食分捨てれば、その差はすぐに消えます。
豚こま100gが120円だとすると、1回捨てるだけで、6パック分の値引きがなくなる計算です。

大きいパックを買うなら、買った日に小分けして冷凍するところまでを、買い物の一部と考えるのがおすすめです。
そこまでやって初めて、安く買った意味が残ります。

とはいえ、疲れて帰った日に小分け作業をするのはしんどいものです。
そこでおすすめなのが、作らない日を先に決めてしまうことです。
その日のぶんを冷凍の宅食などにあてておくと、肉を買う量も、その日数を引いて決められます。
結果として、買った肉を使い切りやすくなります。

まとめ 線は同じ、変わるのは火の通し方

  • 再冷凍していい線は、豚も牛も鶏と同じで「中心が凍っている半解凍」まで
  • こま切れ・切り落とし・ひき肉は、切った面が多いぶん線が手前に来る
  • 豚肉は中心部を63℃30分以上、または75℃1分以上。生食用の販売は禁止されている
  • 牛肉はかたまりなら表面を焼けばよいが、こま切れ・ひき肉・成形肉は中心まで加熱する
  • 完全に解けたら、生で戻さず、味を付けて火を通してから冷凍する
  • 常温に2時間を超えて置いたものは、においに関係なく捨てる

豚と牛で覚えることが増えたように見えますが、実際に迷うのは「まだ中心が凍っているかどうか」の1点だけです。
そこさえ押さえておけば、あとは火の通し方の問題になります。

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