冷凍焼けした肉は食べられる?調理師の答えは「においで決める」です

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こんにちは。
大阪で一人暮らしをしている、調理師でFPのとまきちです٩( ᐛ )و

冷凍室の奥から出てきた肉が、ところどころ乾いて、白っぽく、あるいは茶色っぽく色が変わっている。
これが冷凍焼けです。
捨てるべきか、食べていいのか、迷いますよね。

先に答えを書きます。
冷凍焼けは、傷んでいるわけではありません。
食べても体に害はありません。
ただし、おいしくはありません。
そこをどう扱うかの話です。

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目次

結論 安全の問題は無く、味に問題が出てきます

冷凍焼けの判断。色が少し変わった程度ならそのまま、乾いて色が変わった部分は切り落とす、全体が乾きにおいがあるものは捨てる

日本冷凍食品協会は、冷凍焼けを「冷凍食品が乾燥したり酸化したりすること」と説明しています。
菌が増えたわけでも、腐ったわけでもありません。
水分が抜けて、脂が酸化しただけの状態です。

同じことを、米国農務省はもっとはっきり書いています。
「冷凍焼けは食品を危険なものにはしない。その部分が乾いているだけである」。
そのうえで、冷凍焼けした部分は調理の前か後に切り落とすこと、ひどい場合は品質上の理由で捨てることもある、としています。

つまり、判断は次の3つに分かれます。

肉の状態どうするか
表面の色が少し変わった程度そのまま調理して食べられます。味付けを濃いめにすると気になりません
乾いて色の変わった部分があるその部分を切り落とせば、残りは食べられます
全体が乾いている/油っぽい古いにおいがする味が戻らないので、捨てることをおすすめします

ここで大事なのは、「食べられるかどうか」と「おいしく食べられるかどうか」は別の話だということです。
冷凍焼けで問題になるのは後者だけです。

冷凍焼けは、肉の中で何が起きているのか

冷凍室の中で、肉の水分は氷になっています。
この氷は、液体に戻らないまま、少しずつ気体になって抜けていきます。
この現象が続くと、肉の表面から水分だけが抜けて、スカスカの状態になります。
色が変わって見えるのは、水分が抜けたあとの隙間です。

見え方は1つではありません。
白っぽく乾いて見えることもあれば、灰色がかった茶色に変わって見えることもあります。
米国農務省は冷凍焼けを「灰色がかった茶色の、革のような斑点」と表現しています。脂の多い部分や鶏肉では白っぽく、赤身では茶色っぽく見えることが多いです。

水分が抜けると、脂が空気に触れます

水分が抜けた場所には、空気が入り込みます。
すると今度は、肉の脂が空気に触れて酸化します。
これが、古い油のようなにおいの正体です。

調理師の目で見ると、ここが分かれ目です。
水分が抜けただけなら、調理で何とかなります。
脂が酸化してにおいが出てしまうと、何をしても元には戻りません。
においを確かめるのは、そのためです。

袋の口が開いていると、一気に進みます

冷凍焼けは、空気に触れる面から進みます。
袋の口が少し開いていたり、ラップに隙間があったりすると、そこから乾きます。
肉を1枚ずつ取り出して袋を開け閉めするたびに、新しい空気が入ります。

冷凍室の奥から出てきた豚肉。袋の内側に霜がつき、赤身が暗い色に変わっている
冷凍室の奥から出てきた豚肉。袋の内側に霜がびっしり付いています。肉から抜けた水分が、袋の中で凍ったものです

食べる・捨てるの見分け方

見るところ食べられる捨てたほうがいい
色表面が部分的に白っぽい、薄い灰色全体が茶色や黄色っぽく変わっている
さわった感じ乾いて硬い部分がある全体がカサカサで、肉の弾力がない
におい冷凍室のにおいがする程度古い油のようなにおい、酸っぱいにおい

においは、凍ったままでは分かりにくいことがあります。
解凍してから、もう一度確かめてください。
解凍したあとに古い油のにおいがしたら、そこでやめます。

袋に入ったままの冷凍豚肉を別の角度から見たところ。白っぽい部分と暗い赤色の部分がある
同じ肉を別の角度から。白っぽい部分が脂身なのか、乾いた部分なのかは、袋ごしでは分かりません。袋から出して、こすっても取れなければ冷凍焼けです

袋から出すと、印象が変わります

この肉を袋から出してみました。

袋から出した冷凍の豚こま肉。表面に霜が付き、一部が暗い赤茶色になっている
袋から出したところ。白い粉のように見えるのは、ほとんどが霜でした

袋ごしに見たときは「これはだめかもしれない」と思いましたが、出してみると、白く見えていた部分の多くは霜と脂身でした。
肉そのものが乾いて革のようになっている部分は、ほとんどありません。

同じ冷凍の豚こま肉を別の角度から見たところ。クリーム色の脂身と暗い赤茶色の部分がある
別の角度から。クリーム色の部分は脂身、暗い赤茶色の部分が、空気に触れて色の変わったところです

冷凍焼けと、傷んでいるのは別です
ぬめりがある、糸を引く、酸っぱいにおいがする。これらは冷凍焼けではなく、冷凍する前か解凍したあとに傷んだサインです。この場合は、見た目に関係なく捨ててください。

冷凍焼けした肉を、おいしく食べる3つの方法

水分が抜けただけの肉なら、調理でかなり戻せます。
調理師として使っている方法を3つ書きます。

① 乾いた部分を切り落とす

いちばん確実です。
乾いて色が変わっているのは表面だけで、中は普通の肉であることがほとんどです。
包丁で薄く削ぐように落とします。凍ったままだと切りにくいので、半解凍まで戻してからにしてください。

② 水分と脂を、外から足す

抜けてしまった水分は、調理で足します。
塩水(水200mlに塩小さじ1程度)に15分ほど浸けると、肉が水分を含んで、焼いたときのパサつきが軽くなります。
そのあと水気を拭いてから調理してください。

牛乳やヨーグルト、酒に浸ける方法もあります。
どれも、水分を戻しつつ、においを和らげる狙いです。

③ 焼かずに、煮るか揚げる

水分の抜けた肉を強火で焼くと、さらに乾いて固くなります。
向いているのは、汁気のある料理です。

  • カレー、シチュー、豚汁などの煮込み
  • 肉じゃが、すき焼き風の煮物
  • 衣をつけて揚げる(衣が水分を閉じ込めます)
  • ひき肉にして、そぼろやハンバーグにする

味の濃い料理にすると、残ったにおいも気になりにくくなります。
逆に、ステーキや塩焼きのように肉そのものの味で食べる料理には向きません。

一人暮らしの冷凍室は、冷凍焼けが起きやすい

冷凍焼けは、家族の冷凍室でも起きます。
ただ、一人暮らしだと起きやすい事情があります。

  • 使い切るまでの日数が長い 1パックを3回、4回に分けて使うので、最後の1回は何週間も先になります
  • 袋を開け閉めする回数が多い 1回分ずつ取り出すたびに、袋の中に空気が入ります
  • 冷凍室が小さい 詰め込むと扉の開け閉めで温度が上がりやすく、霜もつきやすくなります

私が自分の冷蔵庫で測ったときは、公称60Lの冷凍室で、実際に使えたのは41Lでした。
入る量が少ないぶん、奥のものを出し入れする回数も増えます。

📗 冷凍室に実際どれだけ入るのかは、自分の冷蔵庫で測って記事にしました。
▶ 一人暮らしの冷凍室、公称60Lでも実際は41Lです。まとめ買いが入らない理由を調理師FPが数字で確かめました

次から冷凍焼けさせない3つのこと

① 空気を抜いて閉じる

冷凍焼けは空気に触れた面から進みます。
袋の空気をしっかり抜いて閉じるだけで、かなり防げます。
袋を水に沈めると、水圧で空気が抜けて閉じやすくなります。

農林水産省も、冷凍食品について「一度開封したら、乾燥や酸化を防ぐため、しっかり空気を抜いて口を閉め、手早く冷凍室へ戻す」よう呼びかけています。
出しっぱなしにしないことも大事です。

② 薄く平らにして、1回分ずつ取り出せる形にする

厚い塊のまま凍らせると、使うたびに袋を開けて中身を動かすことになります。
袋の中で薄く平らにして、1回分ずつ折って取り出せる形にしておけば、開け閉めが1回で済みます。

意外に思われるかもしれませんが、冷凍室はすき間なく詰めたほうが温度が安定します。
凍ったもの同士が保冷剤の役目をするためで、農林水産省も8割から9割ほど詰めることをすすめています。
スカスカの冷凍室は、扉を開けるたびに温度が上がりやすくなります。

📗 袋のまま平らに冷凍して、折って使う方法はこちらに写真つきで書いています。
▶ 一人暮らしで肉の小分け冷凍が面倒な人へ。調理師が、小分けせずに済ませる3つの方法を紹介します

③ 使い切れる期間で考える

冷凍そのものに期限はありません。傷むから食べられなくなるのではなく、味が落ちていくだけです。

農林水産省は、市販の冷凍食品でも家庭の冷凍室では2〜3か月で食べきるのが目安としています。扉の開け閉めが多く、温度が上がり下がりするためです。
家庭で凍らせた生の肉は、さらに短く見ておくほうが安心です。

参考までに、温度が−18℃で安定している場合の目安も書いておきます。
米国農務省の表では、鶏肉の部位で9か月、牛や豚のステーキやかたまりで4〜12か月、ひき肉で3〜4か月です。
家庭の冷凍室はここまで安定しないので、日本の「2〜3か月」のほうを基準に考えてください。

何を冷凍したか目安
家庭の冷凍室市販の冷凍食品でも2〜3か月が目安(農林水産省)
家庭で冷凍した生の肉上記より短め。早めに使い切る
温度が−18℃で安定している場合鶏肉の部位9か月、牛・豚のかたまり4〜12か月、ひき肉3〜4か月(米国農務省・参考)

捨てると決めた日のために

においが戻らない肉は、思い切って捨ててください。
無理に食べても、おいしくありませんし、料理そのものが嫌になります。

ただ、捨てると決めた瞬間に、その日の夕食がなくなります。
疲れて帰ってきて、そこから買い物に出るのはしんどいものです。
冷凍室に、解凍のいらない1食を置いておくと、迷わず捨てる判断ができます。

冷凍うどんでも、冷凍ごはんと卵でもかまいません。
おかずまでそろった1食がほしいときは、冷凍の宅食もひとつの方法です。
私が実際に10食頼んで試したときの値段と、冷凍室への入り方はこちらにまとめています。

まとめ 色が変わっていても、捨てるとはかぎりません

  • 冷凍焼けは傷んでいるのではなく、水分が抜けた状態。食べても体に害はない
  • 乾いて色の変わった部分は、切り落とせば残りは食べられる
  • 古い油のようなにおいがするものは、脂が酸化しているので戻らない。捨てる
  • 水分が抜けた肉は、煮込みや揚げ物に向く。ステーキや塩焼きには向かない
  • 防ぐには、空気を抜く・薄く平らにする・使い切れる期間で考える

冷凍室の奥から出てきた肉を見て、まず確かめるのは色ではなくにおいです。
においが大丈夫なら、たいていは切り落として使えます。

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