ひき肉の解凍を忘れた日は?調理師が凍ったまま焼いて比べました

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こんにちは。
大阪で一人暮らしをしている、調理師でFPのとまきちです٩( ᐛ )و

仕事終わりに家に帰ってきて、お肉を使おうと思ったら、まだ冷凍したままだったことはありませんか?

冷蔵庫で解凍するには数時間かかります。電子レンジの解凍機能を使うのも面倒です。
このまま焼いてはだめなのでしょうか。

今回は豚のひき肉を、凍ったままと冷蔵庫で解凍したものに分けて、実際に焼いて違いがあるのか確かめました。
重さと時間も量っています。

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目次

結論 凍ったまま焼けます。ただし4〜5分、削り続けます

先に結論です。

  • 凍ったままでも、崩しながら焼けば最後まで火が通る
  • 炒め終わるまでの差は6分と4分で、2分だけ
  • ただし、ほぐれ終わるまでは4〜5分と1分で、4倍の差
  • そぼろにすると、味の差はほとんど感じない

待ち時間はゼロになりますが、そのかわりフライパンの前に立っている時間が長くなります。
それでも、冷蔵庫で一晩待つことを考えれば圧倒的に早いです。

凍ったままのひき肉はほぐれるまで4〜5分、冷蔵庫で解凍したひき肉は1分だったことを比べた図
炒め終わりの差は2分。ほぐれるまでの差は4分です。

どうやって比べたか

同じ日に同じパックから分けた豚のひき肉を、ポリ袋に入れて平らにして冷凍しました。
冷凍したのは1週間前です。

  • 凍ったまま:袋ごと101.6g(空の袋2.5g、身98.7g)
  • 冷蔵庫で解凍:袋ごと103.3g(空の袋3.4g、身100.0g)

袋ごとの重さを101.8gにそろえてから始めています。
重いほうの袋から、凍ったまま19gほど折って外しました。平らに冷凍してあると、こういうときに割れます。

焼き方は両方同じです。
油は引かず、中火。
木べらで崩しながら炒めました。
先に凍ったままを焼いて、フライパンを洗って冷ましてから、解凍したほうを焼いています。
熱いまま続けると、あとのほうが有利になってしまうからです。

凍ったまま焼くと、こうなります

凍ったままの豚ひき肉をフライパンに入れた直後。板状のまま固まっている
入れた直後。板です。木べらを当てても動きません。

フライパンに乗せた時点では、ただの板です。
端から削るように崩していきます。

凍ったままのひき肉を2分焼いたところ。大きな塊が割れて小さい粒が散っている
2分後。塊が割れてきました。

2分で、大きな塊が2つ3つに割れて、周りに小さい粒が散っている状態です。
まだ中心は凍っています。

凍ったままのひき肉を4分焼いたところ。ほぼほぐれて色が変わり始めている
4分後。だいたいほぐれました。

4分で、ほぼほぐれました。
色も変わり始めています。

凍ったままのひき肉を6分焼いたところ。全体に火が通って茶色くなっている
6分後。ピンク色は残っていません。

6分で全部に火が通りました。

豚のひき肉は、中心まで火を通してください。
凍ったまま焼くと、表面が焼けた見た目になっても中が生のまま、ということが起きます。崩しながら、赤みが一点もなくなるまで加熱してください。
なお、今回は中心温度計を持っていないので、温度は測っていません。色だけで判断しています。

解凍してから焼くと、こうなります

冷蔵庫で解凍した豚ひき肉をフライパンに入れた直後。柔らかく広がっている
入れた直後。最初から柔らかく、潰れます。

同じ量でも、こちらは最初から柔らかく、フライパンの上で潰れます。

解凍したひき肉を1分焼いたところ。すでに細かくほぐれている
1分後。もうほぐれ終わっています。

1分でほぐれ終わりました。
凍ったままが4〜5分かかったところです。

解凍したひき肉を4分焼いたところ。全体に火が通っている
4分後。完成です。

4分で火が通りました。

数字で比べました

凍ったまま冷蔵庫で解凍
身の重さ98.7g100.0g
ほぐれ終わるまで4〜5分1分
炒め終わるまで6分4分
焼き上がり62.4g66.3g
減った分36.3g(36.8%)33.7g(33.7%)

焼き上がりの重さは、アウトドアスパイスを数回振ったあとに量りました。
両方とも同じように振っているので差の比較には使えますが、そのぶん実際より少しだけ重く出ています。

フライパンに残った脂と水は、両方ともほとんど差がありませんでした。

凍ったまま焼いたそぼろと解凍してから焼いたそぼろを並べた写真。見た目はほとんど同じ
左が凍ったまま、右が解凍してから。見た目では区別がつきません。

袋に残った水の話

空の袋の重さが、2.5gと3.4gで0.9g違いました。
解凍したほうの袋に汁が残っていたためだと思います。

ただし、袋そのものの重さに個体差があるかもしれないので、「ドリップが0.9g出た」とは言い切れません。
確かなのは、大量には出なかったということです。

刺身を冷凍したときは、45.9gのうち10.5g、22.9%が流れ出ました。
それと比べると、ひき肉を平らに冷凍して冷蔵庫で解凍した場合は、ほとんど水が出ません。
刺身のときの記録は刺身は冷凍できる?調理師の答えは「漬けてから」ですに書いています。

予想が外れました

始める前に、こう予想していました。

「凍ったまま焼いたほうが、水が出る前に火が通るから、しっとり仕上がるはずだ」

逆でした。
凍ったままのほうが、水分が多く飛びました。
36.8%と33.7%で、3ポイントの差です。

理由は、火にかけている時間だと思います。
凍ったままは6分、解凍したほうは4分。
2分長く熱にさらされれば、そのぶん水も飛びます。
刺身のときは「冷凍と解凍で細胞が壊れて水が出る」話でしたが、今回効いたのは焼いている時間のほうでした。

予想が外れたのは、刺身に続いて2回目です。
やってみないと分からないものです。

食べ比べた感想

味をつけずに一口ずつ食べ比べ、そのあと両方に同じようにスパイスを振って、もう一度食べ比べました。

そぼろにすると、差はほとんど感じません。
これが正直なところです。

強いて言えば、解凍したほうが火の通りが均一で、ふんわりしていました。
凍ったままのほうは、先に焼けた部分とあとから焼けた部分があるせいか、硬いところとそうでないところが混ざっている感じがしました。

ただ、どちらも誤差の範囲です。
家庭で作る料理なら、気にするほどの差ではありません。

一人分だから、凍ったままで火が通ります

ここが大事なところだと思います。

レシピサイトが「凍ったまま焼く」を正面から勧めにくいのは、扱う量が多いからではないでしょうか。
500gの塊を凍ったまま焼けば、外は焦げて中は冷たいままになります。
削っても削っても終わりません。

今回うまくいったのは、100gを平らに冷凍してあったからです。
厚みが薄いので熱が中心まで届きますし、4〜5分で削りきれる量でもあります。

袋のまま平らにして冷凍するやり方は、小分けが面倒な人に向けて前に書きました。
あのとき「折って使える」と書いたことが、解凍を忘れた日にも効いてきます。

袋のまま平らに冷凍して、使う分だけ折って取り出すやり方はこちらです。
▶ 一人暮らしで肉の小分け冷凍が面倒な人へ。調理師が、小分けせずに済ませる3つの方法を紹介します

つまり、家族向けには勧めにくい方法が、一人暮らしでは成立します。
量が少ないことが、ここでは有利に働きます。

よくある質問

鶏や牛のひき肉でも同じですか

試したのは豚だけなので、同じとは言い切れません。
ただ、ひき肉はどれも細かいので、崩しながら焼けば火は通ります。
鶏ももは脂が多いぶん崩れるのが早いかもしれませんし、牛は赤身が多いと火を通しすぎてパサつきやすいです。

肉の種類による扱いの違いは、豚肉・牛肉の再冷凍は大丈夫?鶏肉との違いを調理師が説明しますにまとめています。

油は引いたほうがいいですか

今回は両方とも油なしで焼きました。
豚のひき肉は脂が出るので、くっつきません。
ただ、凍ったままのほうは最初の数分、肉から脂が出てくるまでフライパンに貼りつきます。
気になるなら少しだけ引いてください。

水や酒を入れると早くほぐれますか

試していないので分かりません。
理屈としては、ふたをして蒸気を回せば表面が早くゆるむはずです。
ただ、水を入れればそのぶん炒めて飛ばす時間が増えるので、全体として早くなるかは確かめないと言えません。
次にやってみます。

こま切れや厚切りでも凍ったまま焼けますか

こま切れは、平らに冷凍してあれば同じように焼けます。
厚切りや塊は別です。中心まで熱が届く前に表面が焼けすぎます。
厚みがあるものは解凍してください。
ここは実際に測ったわけではなく、調理師としての目安です。

半解凍ではだめですか

半解凍はいちばん扱いやすい状態です。
包丁も入りますし、崩すのも簡単です。
ただ、今回の話は「解凍を忘れた」場面なので、半解凍にする時間もありません。
時間があるなら半解凍が一番です。
考え方は鶏肉の再冷凍は大丈夫?調理師の答えは「半解凍まで」ですに書いています。

結局、どうしたらいいか

解凍を忘れて帰ってきた日の判断です。

凍ったまま、そのままフライパンに乗せてください。
流水に当てたり、レンジの解凍モードを使ったりするより確実です。レンジは端から煮えてしまうことがあります。
解凍の方法ごとの時間は一人暮らしに向く鶏肉の解凍方法は? 冷蔵庫6時間・氷水30分・流水15分を調理師FPが実測しましたで実測しています。

最初の4〜5分は、削り続ける覚悟をしてください。
ここが長いだけで、あとは普通に炒めるのと変わりません。

ピンク色が消えるまで、しっかり火を通してください。
見た目が焼けていても中が残ります。
崩しながら、赤みが一点もなくなるまでです。

味の差は気にしなくて大丈夫です。
そぼろにしてしまえば、ほとんど分かりません。

次からのために、袋のまま平らに冷凍しておいてください。
今回4〜5分で済んだのは、薄かったからです。
塊で冷凍してあると、この方法は使えません。

今日のひと皿 パリパリピーマンの肉そぼろ

焼いたそぼろは、生のピーマンにのせて食べました。

生のピーマンに温かい豚ひき肉のそぼろをのせた一皿
ピーマンは生のまま。そぼろは温かいうちにのせます。

ピーマンを縦半分に切って種を取り、そこに温かいそぼろをスプーンでのせるだけです。
火を使うのは炒めるときだけ。
洗い物はフライパンと皿とスプーンで終わります。

ピーマンは生のままなので、パリパリしています。
そぼろは温かい。
この組み合わせがよくて、冷めないうちに食べきってしまいました。
一人分のひき肉100gで、ピーマン3つ分くらいになります。

味付けは、アウトドアスパイスを数回振っただけです。
これひとつで味が決まるので、調味料を何種類も出さずに済みます。
ふだんから常備していて、肉にも野菜にもそのまま使っています。

そぼろが余ったら、冷蔵庫に入れて翌日までに食べきってください。
解凍した肉が何日もつかは冷蔵庫で解凍した肉は何日もつ?調理師が5日間観察しましたで観察しています。

まとめ

  • ひき肉は凍ったままでも焼ける
  • 炒め終わるまでの差は2分、ほぐれるまでの差は4分
  • 水分は凍ったままのほうが多く飛んだ(36.8%と33.7%)
  • 味の差は、そぼろにするとほとんど分からない
  • 成立するのは、一人分を平らに冷凍してあるから
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