ふと、こんなことを考えたことはありませんか。
「自分が亡くなった時、葬儀は誰が出してくれるんだろう」
「お墓はどうすればいいのか。誰も管理してくれないのでは」
「生前に何か決めておいた方がいいのか、でも何から始めればいいか分からない」
おひとりさまにとって、葬儀とお墓は「誰かがやってくれる」という前提が崩れています。
だからこそ、生前に自分で決めておくことが、とても大切なのです。
今回のテーマは、FP(ファイナンシャルプランナー)の試験科目でいうと「ライフプランニング」の分野に近い内容です。
自分の人生の最後をどう設計するか、という話になります。
FP、また当事者として調べた事をまとめました。

おひとりさまの葬儀、誰が手配するのか
まず、現実を整理します。
家族がいる場合、葬儀は家族が手配します。
でも、おひとりさまの場合、手配してくれる家族がいません。
ここで重要になるのが、シリーズ2本目で書いた「死後事務委任契約」です。
死後事務委任契約の受任者(契約した相手)が、葬儀の手配を代わりに行います。
つまり、死後事務委任契約を結んでいれば、おひとりさまでも葬儀を出してもらえる仕組みが整います。
逆に言えば、死後事務委任契約を結んでいない場合、誰も葬儀を手配してくれない可能性があります。
これは、おひとりさまにとって、直視しておくべき現実です。
そして、死後事務委任契約を結んでいたとしても、「どんな葬儀にしたいか」を受任者に伝えておかなければ、受任者が困ってしまいます。
だからこそ、葬儀の形式・規模・希望を、生前に自分で決めておくことが大切なのです。
葬儀の種類と費用
葬儀には、さまざまな種類があります。
自分に合った形式を選ぶために、まず種類と費用感を整理しましょう。
費用の目安:100万〜200万円程度
メリット:多くの人に見送ってもらえる
デメリット:費用が高い、準備が大変
費用の目安:30万〜100万円程度
メリット:少人数でゆっくり見送れる、費用を抑えられる
デメリット:参列できない人が出る
費用の目安:10万〜30万円程度
メリット:費用を最小限に抑えられる
デメリット:お別れの時間が短い、後から後悔する人もいる
費用の目安:30万〜80万円程度
メリット:参列者の負担が少ない、費用を抑えられる
デメリット:通夜がないので、遠方の参列者が間に合わないことも
おひとりさまには、家族葬または直葬が現実的な選択肢として向いています。
費用を抑えられ、少人数でゆっくり見送れる家族葬は、親しい友人や知人に参列してもらいたい方に向いています。
費用を最小限にしたい方、こだわりがない方には、直葬も選択肢のひとつです。

お墓の種類と費用
次に、お墓の選択肢を整理します。
従来の「墓石を建てる」以外にも、さまざまな選択肢が増えています。
メリット:伝統的な形、家族が代々使える
デメリット:費用が高い、管理・掃除をする人が必要、承継者がいないと無縁墓になる
メリット:お寺や霊園が永続的に管理・供養してくれる、承継者が不要
デメリット:他の人と一緒に納骨される合葬タイプが多い
メリット:自然の中に還れる、管理不要、近年人気が高い
デメリット:場所によっては遠い、個別区画は費用が上がる
メリット:お墓の管理が不要、費用を抑えられる、自然に還れる
デメリット:後からお参りできる場所がない
メリット:建物内なので天候に左右されない、都市部に多くアクセスしやすい
デメリット:施設の経営状況によっては移転が必要になることも
おひとりさまには、管理の手間がかからない選択肢が特に向いています。
承継者が不要で、お寺や霊園が管理してくれる永代供養墓。
自然の中に還れて、管理不要の樹木葬。
費用を最小限に抑えられる海洋散骨。
この3つが、おひとりさまに特に人気の選択肢です。
ちなみに自分は樹木葬か海洋散骨のように、納骨されないものにしようと思っています。
一般墓(墓石)は、承継者がいないと将来的に無縁墓になってしまうリスクがあります。
おひとりさまには、あまりおすすめできません。

生前に決めておくべき5つのこと
「いつか決めよう」と思っているうちに、決められなくなってしまうのが、葬儀とお墓の問題です。
FPとして、生前に決めておくべき5つのポイントをお伝えします。
ひとつめ、葬儀の形式と規模を決める
一般葬・家族葬・直葬・一日葬、どの形式にしたいかを決めます。
「誰に来てほしいか」「どんな雰囲気の見送りにしたいか」を考えると、自然と形式が見えてきます。
ふたつめ、葬儀社を選んでおく
近年、生前に葬儀社と相談・契約しておく「生前予約」のサービスが増えています。
生前予約をしておくと、価格が確定して費用の見通しが立てやすくなります。
また、受任者(死後事務委任の契約相手)に「この葬儀社に連絡してください」と伝えておくと、スムーズに動けます。
みっつめ、お墓・埋葬の方法を決める。
永代供養・樹木葬・散骨など、どの方法にするかを決めて、できれば生前に契約しておきます。
特に人気の永代供養墓や樹木葬は、希望の場所が満員になってしまうこともあります。
早めに調べて、気に入った場所を確保しておくと安心です。
よっつめ、訃報を伝えたい人のリストを作る
友人・知人・職場の元同僚など、自分が亡くなった時に知らせてほしい人のリストを作ります。
名前と連絡先を書いておくだけで、受任者がとても助かります。
デジタル(スマホの連絡先)だけでなく、紙にも書いておくのが安心です。
いつつめ、葬儀費用を準備しておく
葬儀と埋葬の費用は、合計で最低でも数十万円、一般的には50万〜100万円以上かかります。
死後事務委任の預託金に含めておくか、または別途「葬儀積立金」として準備しておくのが理想です。
「お金の準備なしに葬儀の希望だけ言っても、受任者が動けない」ということを、忘れないようにしてください。
生前に決めておくと、何が変わるのか
「葬儀やお墓のことを生前に決めるなんて、縁起が悪い」と感じる方もいると思います。
でも、実際に決めておいた人の多くが「決めてよかった」と言います。
生前に決めておくことで、こんな変化が生まれます。
死後事務委任の受任者が迷わず動ける。
「あの人なら、こういう葬儀を望んでいたはず」と受任者が悩まなくて済みます。
結果として、自分の希望通りの葬儀・埋葬が実現します。
残された友人・知人の負担が減る。
「何をすればいいか分からない」という混乱を、周囲に与えずに済みます。
訃報を伝えたい人のリストがあれば、受任者がすぐに動けます。
費用の見通しが立てやすくなる。
葬儀と埋葬の方法が決まっていれば、必要な費用が計算できます。
老後資金の中に葬儀費用を含めて計画できるので、お金の準備も整いやすくなります。
自分の気持ちが楽になる。
「決めた」という事実が、漠然とした不安を和らげます。
「準備した」という安心感が、残りの人生をより前向きに生きる力になります。
今日から始められる、お金の準備
最後に、費用の話をしておきます。
葬儀と埋葬の費用を合計すると、最低でも数十万円、一般的には50万〜100万円以上の準備が必要です。
「直葬+海洋散骨」という最もシンプルな組み合わせでも、15万〜60万円程度はかかります。
「家族葬+永代供養墓」であれば、50万〜200万円程度を見込んでおく必要があります。
この費用を、老後資金の計画の中に含めて考えることが大切です。
漠然と「いくらかかるか分からない」という状態では、準備のしようがありません。
まず、自分がどんな葬儀・埋葬を希望するかを決めて、その費用の目安を把握する。
それが、お金の準備の第一歩です。

まとめ 葬儀とお墓は、生前に自分で決められる
長い記事になりましたが、最後にお伝えしたいことは、シンプルです。
おひとりさまの葬儀とお墓は、生前に自分で決えておくことが大切です。
誰も手配してくれないからこそ、自分で決めておく必要があります。
葬儀の形式は、家族葬または直葬がおひとりさまに向いています。
お墓は、管理不要の永代供養墓・樹木葬・海洋散骨が人気です。
生前に決めておくべき5つのこと(形式・葬儀社・埋葬方法・連絡リスト・費用準備)を、少しずつ整えていきましょう。
ふと「自分の葬儀は誰が出してくれるんだろう」と不安に感じた時、この記事を思い出してください。
決めれば、ちゃんと整えられます。
「おひとりさまでも、自分らしい最期を選べる」、これがFP2級でおひとりさまの私からの、当事者としての答えです。
また、「生前に決めておけば、自分の希望通りの見送りが実現できます」。
ぜひ、今日から少しずつ始めてみてください。
次回は、おひとりさまの成年後見制度と任意後見について書きます。
意識を失った時、誰が判断するのか。
生前の財産管理と医療判断を、誰に任せるか。
当事者目線で解説します。
一緒に、ゆっくり準備していきましょう٩( ‘ω’ )و
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