一人暮らしで食材を使い切れない原因は、買いすぎではなく「使う順番」でした。調理師FPは冷蔵庫を3つに分けています

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こんにちは。大阪で一人暮らしをしている、調理師でFPのとまきちです٩( ᐛ )و

冷蔵庫の奥から、しなびたほうれん草が出てきたことはありませんか。
買ったときは「今週これで一品作ろう」と思っていたのに、気がついたら3日が過ぎている。
買ったもやしが痛んでいる。
豆腐の期限が昨日だった。

私も同じことを何度もやりました。家庭から出る食品ロスは1人あたり年間およそ19kgだそうです(消費者庁・2023年度推計、家庭系233万トン)。誰もが同じことをしています。

そして長いあいだ、原因は買いすぎだと思っていました。
だから買う量を減らしたのですが、今度は途中で足りなくなって、結局コンビニに行くことになります。

調理師として厨房に立っていたときのやり方を家の冷蔵庫に持ち込んで、ようやく分かりました。
使い切れない原因は、買う量ではなく「使う順番」を決めていないことでした

この記事では、冷蔵庫を3つに分けて使う順番を固定する方法と、そもそも買う量をどう決めるかを、数字で説明します。

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目次

結論 使い切れないのは、買った順に使っているからです

冷蔵庫の中身を「傷むのが早い順」に3つに分けて、早いほうから使います。
買った日は関係ありません。
同じ日に買っても、もやしと玉ねぎでは寿命が20倍以上ちがうからです。

やることは3つだけです。

  • ① 冷蔵庫を「3日で使う」「1週間で使う」「急がない」の3つに分ける
  • ② 献立は、いちばん早く使うものから決める
  • ③ 買う量は「食べる回数」から逆算する(レシピの重さでは足りません)

冷蔵庫を、傷むのが早い順に3つに分けます

飲食店の冷蔵庫は、種類ごとには並んでいません。
先に使うものが手前です。
家の冷蔵庫も同じにします。
私が実際に運用している区切りが、この3つです。

冷蔵庫の食材を「3日で使う」「1週間で使う」「急がないもの」の3つに分けた表
買った日ではなく、もつ日数の短いものから使います

「3日で使う」 ― いちばん手前、目の高さに置きます

ひき肉と鶏肉、魚の切り身、もやし、ほうれん草や小松菜などの葉物、開封した豆腐。
ここに入るものは、買った日を1日目として3日以内に使い切ります。

ひき肉が特に早いのには理由があります。
ひいた時点で表面積が何十倍にもなっているので、細菌がつく面がその分だけ広いのです。
同じ豚肉でも、ブロック・スライス・ひき肉の順に傷みが早くなります。
安いからとひき肉をまとめ買いして冷蔵庫に置くのは、いちばん危ない買い方です。

この欄にある食材は扉を開けて最初に目に入る場所に置いてください。
奥にしまうと存在を忘れます。
忘れなければ、ほとんどの食材ロスは起きません。

「1週間で使う」 ― その奥に置きます

きのこ類、丸ごとのキャベツ、にんじん、ブロッコリー、卵、トマト、ピーマン。
ここの食材はそこまで急ぎません。

ひとつだけ注意があります。
切った瞬間に「3日で使う」ほうへ移します。
丸ごとのキャベツは2週間もちますが、半分に切った時点で3〜4日です。
切り口から水分が抜けて、そこから傷んでいきます。
使いかけをラップして奥に戻すと、次に見つけたときには手遅れです。
切ったら手前、と決めてください。

「急がないもの」 ― 常温か、冷凍室へ

玉ねぎ、じゃがいも、小分けにして冷凍した肉、冷凍ごはん、乾物や缶詰。
ここは1か月単位で考えられます。
玉ねぎとじゃがいもは冷蔵庫に入れないほうが長もちしますので、風通しのいい常温に置いてください。
冷蔵庫の限られた場所を、急がないもので埋めないためでもあります。

献立は「3日で使う」ものから決めます

ここが、この方法のいちばん大事なところです。

「今日は何を食べようか」から考えると、食べたいものが先に決まって、冷蔵庫の中身は後回しになります。
だから残ります。
なので考え方を逆にします。
冷蔵庫を開けて、いちばん手前に何が入っているかを見てから、献立を決めます。

もやしと鶏肉があるなら、今日はそれです。
凝った料理でなくてかまいません。
その食材がが週の終わりに使い切れていれば、その週は捨てるものが出ません。
これを目標にします。

日数はあくまで目安です
上の日数は、私が家庭の冷蔵庫で実際に運用している目安です。パッケージに消費期限・賞味期限の表示があるときは、必ずそちらが優先です。消費期限は「安全に食べられる期限」なので、過ぎたものは見た目やにおいに問題がなくても食べないでください。

買う量は、レシピに書いてある重さでは足りません

順番を決めても、そもそも買う量がずれていると回りません。
ここに、多くの人が知らない落とし穴があります。

レシピの「ねぎ100g」は、食べられる部分の100gです。
白ねぎは根と葉先を落とすと4割が消えます。
つまり100g使いたいなら、買うのは167gです。
これを廃棄率といって、文部科学省の日本食品標準成分表に食材ごとの数字が載っています。

食材の廃棄率と、100g使うために買う量の比較
レシピの分量は「食べられる部分」の重さです

廃棄率が高めのものを知っておこう

買う量 = 使う量 × 100 ÷(100 − 廃棄率)

一応、計算式を記述しておきましたが、毎回電卓を出すのは大変すぎ!
よく使うものだけ頭に入れておいて、使いたい量より多めに買わないと足らないことを知っておきましょう。

食材廃棄率100g使うために買う量
根深ねぎ(白ねぎ)40%167g
ブロッコリー35%154g
キャベツ15%118g
にんじん(皮をむく)10%111g
たまねぎ6%107g
鶏むね肉(正肉)0%100g

出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

白ねぎとブロッコリーを使う日は、見積もりが1.5倍前後ずれます。
「足りなかったから買い足す」の正体は、この計算のずれが原因かもしれません。
買い足した分がまた余るので、ここを直すだけでも冷蔵庫がスッキリしますよ。

大袋と少量パック、どちらを買うかの線引き

使い切りを優先すると少量パックを選びたくなりますが、100gあたりの単価は高くなります。
私の基準はこの2つです。

  • 冷凍できるもの(肉・魚・きのこ・ごはん)は大袋を買って、その日のうちに小分け冷凍する
  • 冷凍に向かないもの(葉物・豆腐・きゅうり・じゃがいも)は、割高でも少量を買う

大袋が得なのは、使い切れたときだけです。
2割捨てたら、2割引きの意味はなくなります。
冷凍できるかどうかが、そのまま「大袋を買っていいかどうか」の線引きになります。

それでも余りそうなときは、傷む前に冷凍します

冷凍は、傷んだものを元に戻す方法ではありません。
おいしさは、凍らせた日の状態のまま止まります。

ですから冷凍するのは、余ってからではありません。
「今週は使い切れないな」と分かった時点です。

生のまま冷凍できる下ごしらえしてから向かない
肉・魚(小分けにして薄く)
きのこ類(ほぐすだけ)
ねぎ(小口切り)
油揚げ・ベーコン
ごはん(温かいうちに包む)
ほうれん草・小松菜(さっと茹でる)
ブロッコリー(固めに茹でる)
にんじん(切ってから)
キャベツ(ざく切り・加熱前提)
豆腐(食感が変わる)
じゃがいも(生はスカスカに)
きゅうり・レタス(水っぽくなる)
マヨネーズで和えたもの

肉を冷凍するときは、薄く平らにして、金属のトレーにのせるのがいちばん効きます。
味が落ちるのは、−1℃から−5℃をゆっくり通過するあいだに氷の結晶が大きく育って細胞を壊すからです。
この温度帯を最大氷結晶生成帯といいます。
ここを速く通り抜けさせるほど、解凍したときのドリップが減ります。

冷凍室に入る量は、思っているより少ないです

ここで多くの人がつまずきます。「冷凍すればいい」と思って買ってきたら、そもそも冷凍室に入らないのです。
一人暮らし向け冷蔵庫の冷凍室は、公称60Lと書いてあっても実際に詰められるのは4割ほどでした。
引き出しは四角い箱ではありませんし、袋も完全には平らになりません。

私がやめた3つのこと

順番と量を整えるより先に、やめたほうが早いことが3つありました。
どれも私の失敗談です。

① 特売日に合わせて買い物に行くのをやめました

特売日を目指してお店に行くと、安い品の他に、献立に必要なものではない定価の商品を買ってしまっていました。
私はこれで、必要のない野菜を購入したりして、だめにしました。
今は曜日を固定して、そのとき安いものの中から選びます。
特売を追わなくなってから、買い物の失敗捨てる量は減りました。

② 1週間分の献立を先に決めるのをやめました

何度も試しましたが、続きませんでした。
仕事から帰って疲れている日に、予定されたメニューを作る気力が残っていないのです。
3日目には崩れて、崩れた瞬間に食材が余ります。
今は献立を決めません。
決めるのは「いちばん手前から選ぶ」というルールだけです。

料理が苦手な方は難しいと思うので、料理サイトなどを利用してみて下さい。

③ 毎日自炊する前提で買うのを、やめました

これがいちばん効きました。

私は週に5日働いています。
帰りが遅い日に、冷蔵庫を開けて、切って、焼いて、洗いものまでする。
それを毎日やる前提で食材を買っていました。でも実際には、週に1日か2日は必ず作れない日が来ます。
そして作れなかった日の食材が、そのまま余りになります。

今は逆にしました。
はじめから「作らない日」を週に2日決めて、その2日ぶんの食材は買いません。
お惣菜を買う日、冷凍のおかずを温める日、外で食べる日。
どれでもかまいません。

これだけで、買う量が7日ぶんから5日ぶんに変わります。
余りが出ていた原因の半分は、作らない日の食材まで買っていたことでした。
買う量を減らしたのではなく、作る日の数に合わせただけです。

出来合いを使うことに、うしろめたさを感じる必要はないと思っています。
お惣菜を買った日は、材料費と光熱費と、買い物から洗いものまでの時間を払っていません。
捨てた食材の分まで入れて計算すると、自炊との差は思っているより小さくなります。

問題は、その「作らない日」に何を食べるかを決めていない場合です。
決めていないと、その日は結局コンビニに寄ることになります。
ここを先に決めておけるかどうかで、食費はかなり変わります。

作らない日に何を食べるか ― 「食材を持たない」という選び方

コンビニで毎回えらぶと、お弁当とサラダで1食700〜900円かかります。
週2日なら月におよそ6,000円です。
作らない日を決めた意味が、ここで消えてしまいます。
だから、作らない日に何を食べるかは先に決めておきます。

それに、作らない日が週2日では済まない時期もあります。
残業が続いている、休みが不規則。
冷蔵庫を開ける余力がないときは、順番を決めても回りません。
私も忙しい時期は回せていません。

そういう時期に食材を家に置いておくのは、買った時点で捨てることがほぼ決まっているようなものです。
この場合はそもそも食材を持たないほうが、金額としても気持ちとしても軽くなります。
1食分ずつ小分けで届くものにすれば、余りが構造的に出ません。
私は忙しい時期だけ宅配に切り替えて、落ち着いたら自炊に戻す使い方をしています。

まずは1週間だけ、食材を持たない週をつくる
主菜1品+副菜2品が5食分。湯せんか流水解凍で最短5分です。2週間に1回・2週間分のコースなら1食あたり約1,364円で、都度購入より13%安くなります。冷凍庫に余裕がないときはお届けを後ろ倒しにできるので、使うペースに合わせて調整できます。
わんまいるの定期コースを見てみる
📗 自炊・外食・食材宅配を同じ条件で計算して比べた記事はこちらです。
自炊が続かない人ほど、食材宅配は得をします。調理師FPが3社を比較しました

まとめ 使い切れる人は、順番を決めているだけです

  • 使い切れない原因は買いすぎではなく、買った順に使っていること
  • 冷蔵庫を「3日」「1週間」「急がない」の3つに分け、早いほうを手前に置く
  • 切ったら「3日で使う」ほうへ移す
  • 献立は、いちばん手前を見てから決める
  • 買う量は「使う量 × 100 ÷(100 − 廃棄率)」。レシピの重さでは足りない
  • 大袋が得なのは使い切れたときだけ。冷凍できるかどうかで線を引く
  • 余力がない時期は、食材を持たない選択をしていい

節約というと、安いものを探す話になりがちです。でも一人暮らしの食費で効くのは、安く買うことよりも、買ったものを最後まで使い切ることのほうでした。
もやしを増やさなくても、捨てる量がゼロに近づけば食費は下がります。

今日、冷蔵庫を開けて、いちばん傷みやすいものを手前に移すところからで大丈夫です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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※廃棄率は文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」、食品ロスの数値は消費者庁の2023年度推計によります。保存日数は家庭の冷蔵庫での目安で、パッケージの消費期限・賞味期限の表示が優先されます。

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