ネギの再生栽培はお金の面から見てやる意味があるのか?

薬味や料理の彩りに欠かせないネギ。
そんなネギが自宅で再生栽培できると聞いて、やってみようと思った方も多いのではないでしょうか。
でも、ふと疑問が浮かびます。「これってお金の面でもやる意味あるの?」
今回は、実際にネギの再生栽培を始めた筆者が、農家かつFP(ファイナンシャルプランナー)の視点から、費用対効果を検証してみました。
✔ネギの再生栽培って本当にお金の節約になるの?
✔何回くらい収穫が見込めるの?
✔道具などの費用の面だけでなく、生活面から見るとどんなメリットがあるの?
<プロフィール>
トマト農家になって約10年以上 トマト以外にも色々な野菜を栽培中。
調理師、FP2級資格保有。
2015年 飛騨統一圃場審査にて岐阜県園芸特産振興会長賞受賞(最優秀賞)。
2020年 高配当株を開始
2023年 野菜加工事業を開始(野菜加工 とまきち)
冬期期間、焼き芋、干し芋を販売。
ネットショップBASEにて野菜の販売開始 八百屋 とまきち (ytomakichi.base.shop)
当サイトでは農業や家庭菜園で躓いたこと、野菜の育て方や、保存の仕方、調理法、などの悩みをどう解決してきたかを書いています。
2025年4月15日時点
ネギの再生栽培を始めた理由
以前、スーパーの根付きネギを使って再生栽培の記事を書きました。
今回はその続編のような形で、プランターに5本のネギを植え、育て始めたところです。

ネギはどちらかというと薬味や臭い消しとして料理に使うことが多く、少量でも十分ということもたくさんあります。なので、再生栽培を利用して育てることができれば、使い勝手が良いのではないかと考えて栽培を始めました。
ですが、そもそも道具代や土代を使ってまで育てて、「元は取れるのか?」という疑問が。
なので今回は収穫前の段階ではありますが、事前に試算してみることにしました。
再生栽培にかかった費用は?
100円均一で購入したアイテム
- 受け皿付きプランター …… 110円
- 野菜用培養土(半分使用) …… 55円
- 化成肥料(350g中3g使用) …… 約1円
- 鉢底石(5分の1使用) …… 22円
- スコップ …… 110円
合計コスト(初回)
298円(税込)
補足:2回目以降の収穫からのコスト
- 肥料代(3g) …… 約1円
- 水道代 …… 数円(無視できるレベル)
2回目以降はプランターやスコップなどの道具、土や鉢底石などはそのまま使うため、追加コストは実質1〜2円のみ。
栽培期間と収穫の想定

試算する上で、ネギの収穫量と何回まで収穫できるかを考えてみます。
- 再生ネギは植えてから10〜14日程度で約10〜15cm伸び、1回目の収穫が可能に。
- 1回の収穫で約150g(ネギ1束の半量程度)が見込める。
- 一般的には2〜3回まで再収穫可能とされており、最大で3回までの収穫が限界。
ネギの販売価格と換算
- スーパーでネギ1束(約300g)は100円程度。
- 再生栽培で得られる150g = 約50円相当。
3回収穫することを考えるとネギを購入する分の元は取れそうですね。
初期費用も込みにすると元は取れるのか?コストシミュレーション

1回目の収穫
前提から、収穫量:約150g = 50円相当。
コストは道具類の購入による298円。
収支は-248円となり結果は赤字となりました。
2回目以降の収穫(最大3回まで)
それでは限界であろう3回目まで収穫した場合はどうでしょうか。
- 2回目・3回目それぞれ:収穫価値50円/コスト約2円
- 合計収穫価値:50円 × 3回 = 150円
- 総コスト:298円 + 2円 × 2 = 302円
- 収支:-152円(赤字)
結果3回目まで収穫できたとしても赤字となりました。
ここで終わらない!FPの考える買い物にかかるコストから見る金銭的価値

道具や土などを購入した分と収穫量だけで考えると赤字という結果になりましたが、ここでもう少し考えを深めてみました。
特にネギは薬味としての利用が多いため、「少しだけ使いたい」、「ひと束分も必要ないかも」という場面を想定します。
買い物の手間削減分を金額で考えてみた
一般的に、スーパーでの買い物には1回あたり20分以上かかる人が約6割を占めています。
(参考:凸版印刷・ONE COMPATH「買い物に関する意識調査」https://maidonanews.jp/article/14717336)。
このため、スーパーまでの往復やレジ待ちを含めると、買い物の手間が30分ほどかかると見積もるのは現実的な数字と言えるでしょう。
- ネギが必要になった際、スーパーまでの往復やレジ待ちを含めて30分程度の時間がかかる。
- 最低時給約1000円換算で、30分=500円の時間価値
- ベランダにネギがあればこの時間を節約できる!
フードロスの観点から金額を考えてみた
次はフードロスからの観点で見てみます。
農水省の資料を見るとネギなどの少しだけ使う野菜はロス率が高く、半分以上使わずに捨てているというアンケート結果もあるようです。
農水省の食品ロス実態アンケート調査(外部サイト含む)
- 【外部記事例】
NHK「食品ロス削減へ 野菜の“使い切り”がカギ」
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220322/k10013545551000.html- 要点:
- ネギや白菜など、「少しだけ使う系野菜」はロス率が高い
- 少量だけ必要な料理が多い場合、結果的に半分以上捨てていることも
その内容を参考に以下のことを考えてみました。
- ネギ1束を買っても使いきれず、捨ててしまうケースが多い
- 少なめに見積もって3分の1を捨てしまうと考えると、100円のうち約30円分が無駄になっている可能性
- 再生ネギは必要な分だけ収穫できるため、フードロスの防止=約30円の価値
実は、ネギの再生栽培のように「必要な分だけ食材がある便利さ」を、もっと広い範囲で実現してくれるサービスがあります。
それが、私も実際に試してレビューした Oisix(オイシックス) という宅配食材サービスです。
Oisixは、レシピ付きのミールキットや旬の野菜を定期的に届けてくれるサービスで、忙しい日でも無理なく自炊が続けられます。
買い物の手間が減るのはもちろん、食材ロスも少なく、再生ネギと同じように「必要な分だけ使える」安心感があります。
Oisixについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。

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金額に変えられない価値を考えてみた
目に見えない価値を金額に換えてきましたが、再生栽培の価値はそれだけではありません。
- ネギが「いつでもそこにある」ことは、日々の食事に安心感や満足感をもたらす
- 買い忘れや、ちょっとした不便が減ることで、暮らしに余裕が生まれる
これは金額には換算できないが、再生栽培を続ける大きな理由の一つと言えます。
最終シミュレーション ネギの再生栽培はやる価値あり!!
それでは目に見えない価値の分を金額に落とし込んで最終シミュレーションを見てみましょう。
収穫回数 | ネギの価値 | 手間削減(時間) | フードロス防止 | 実質的価値 | コスト | 収支 |
---|---|---|---|---|---|---|
合計3回 | 150円 | 500円 | 30円 | 680円 | 302円 | +378円 |
ネギの再生栽培だけで収支が黒字になるわけではありませんが、
買い物の手間やフードロスの削減といった生活全体の価値を合わせて考えれば、ネギの購入分を考えても
十分に“得する”家庭菜園のはじめの一歩と言えるでしょう。
まとめ
- ネギの再生栽培はお金の面から見てやる意味があるのか?
➡️自宅でも簡単に再生栽培ができるネギ、だけどお金の面から見てやる意味があるのかを考えてみよう。 - ネギの再生栽培を始めた理由
➡️少しだけ使いたいネギ。近くにあると使い勝手がいいのではないか? - 再生栽培にかかった費用は?
- 100円均一で購入したアイテム
➡️受け皿付きプランター、野菜用培養土、化成肥料、鉢底石、スコップ。 - 合計コスト(初回)
➡️約300円。 - 補足:2回目以降の収穫からのコスト
➡️道具や土はそのまま使うので、追加コストは追肥分の肥料代だけ。
- 100円均一で購入したアイテム
- 栽培期間と収穫の想定
➡️10日〜14日で収穫。1回で150g。最大で3回の収穫。 - ネギの販売価格と換算
➡️スーパーでは1束約100円。150gの収穫は約50円分。 - 初期費用も込みにすると元は取れるのか?コストシミュレーション
- 1回目の収穫
➡️道具代と収穫量から考えると約250円の赤字。 - 2回目以降の収穫(最大3回まで)
➡️3回収穫しても約150円の赤字。
- 1回目の収穫
- ここで終わらない!FPの考える買い物にかかるコストから見る金銭的価値
- 買い物の手間削減分を金額で考えてみた
➡️買い物の手間30分で約500円の得。 - フードロスの観点から金額を考えてみた
➡️フードロスを無くせるので約30円の得。 - 金額に変えられない価値を考えてみた
➡️買い忘れた時の利用やちょっとした不便が減ることで、暮らしに余裕ができる。
- 買い物の手間削減分を金額で考えてみた
- 最終シミュレーション ネギの再生栽培はやる価値あり!!
➡️生活全体の価値を合わせて考えれば、十分得になる!!

ネギが好きな方、ちょっとでも節約を意識している方には、ぜひ試してみてほしい栽培方法です。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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