この果樹は実る?枯れる?高配当株の銘柄診断をやってみた

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高配当株を育てていく感覚は、まるで果樹を育てるようなもの。
大切なのは、今年だけたくさん実をつけた果樹ではなく、これからも毎年しっかりと実をつけてくれる株を選ぶことです。

今回は、2025年6月18日現在の配当利回りランキングから、利回り上位3社をピックアップ。
それぞれの企業がどんな果樹に例えられるのか、そして将来にわたって安定した実りが期待できるのかを、前回の記事で紹介した「高配当株の見極めポイント」に照らしながら診断していきます。

気になるあの株は、「今だけの実り」なのか、それとも「長く育てられる一本」なのか?
ぜひ一緒に見ていきましょう。

この記事では、こんな疑問にお答えします。

✔配当利回りが高い株を見つけたけど、本当に買って大丈夫?
✔数字だけでなく、企業のどこを見れば「長く持てる株」か判断できる?
✔具体的な高配当株の中で、どれが投資先として魅力的なのはある?

とまきち

<プロフィール>

兼業トマト農家/調理師/FP2級資格保有
農と暮らしとお金をつなぐブログを運営中。

約10年間トマト農家として働き、現在も家庭菜園でさまざまな野菜を栽培しています。
農業の現場で培った知識と経験に加え、調理師資格FP(ファイナンシャルプランナー)2級の視点から、
野菜の「育て方」「保存」「食べ方」「経済的価値」まで幅広く発信中です。

2015年:飛騨統一圃場審査にて、岐阜県園芸特産振興会長賞(最優秀賞)を受賞

2020年:高配当株投資をスタート

2023年:野菜加工事業「野菜加工 とまきち」開始。冬季は焼き芋・干し芋を販売

当サイトでは、家庭菜園や農業でのつまずき・発見・工夫を中心に、
「野菜のある暮らし」や「節約・資産形成に役立つ視点」をわかりやすく紹介しています。

2025年6月4日時点

※今回紹介している記事の中に株の銘柄が出てきますが、必ず資産がプラスになることを保証するものではありません。購入の検討などは自己責任で行なってください。

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目次

✅ 高配当株の選び方まとめ(簡潔版)

高配当株
高配当株をチェックしよう

銘柄のチェックの前にポイントを振り返ってみましょう。

項目チェックポイント
配当利回り高すぎる利回りは要注意。持続性を確認。
売上高毎年右肩上がりかどうか。安定性を重視。
EPS(1株利益)利益が継続して増えているか。
営業利益率10%以上が優良。5%以下は避ける。
自己資本比率40%以上で安心。60%以上なら健全。
営業キャッシュフロー毎年黒字が続いているか。
現金等の保有現金が年々増加しているか。
1株あたり配当金減配・無配がないか。増配も確認。
配当性向30〜50%が適正。70%以上は注意。

高配当株を買う前に前提を確認しておくことが大事です。
こちらの記事を見ていない方は、初めに見ておくことをオススメします。

📊 選定銘柄一覧(2025年6月18日現在・Yahoo!ファイナンス 配当利回りランキングより)

今回、Yahoo!ファイナンスさんの配当利回りランキング(https://finance.yahoo.co.jp/stocks/ranking/dividendYield?market=all)を参考に上位3社をピックアップしてみました。

銘柄名(コード)配当利回りどんな会社?
ダイドーリミテッド(3)9.96%紳士服やスーツを中心としたアパレル製品の企画・販売を行う企業
ディーエムエス(9782)7.72%ダイレクトメールの印刷・発送やデータ処理などを手がける情報処理サービス企業 
西川ゴム工業(5161)7.65%自動車用のシール部品(ドアや窓のパッキンなど)を製造するメーカー

高配当株のチェックリストで確認してみよう

前回の高配当株のチェックリストに当てはめてチェックしてみましょう。
チェックにはIR BANK(https://irbank.net)から会社名、または銘柄コードを入力して決算をクリック。
チェック項目を照らし合わせて確認してみましょう。

3205 ダイドーリミテッド

項目内容
銘柄コード3205 ダイドーリミテッド
配当利回り9.96%
売上高の推移横ばい〜やや減少傾向(近年は減収続く)
EPS(1株あたり利益)年ごとのブレが大きく、安定していない
営業利益率約3〜5%、低めの水準、マイナスの年が10年以上
自己資本比率直近30%ほど
営業キャッシュフロー赤字の年あり(10年のうち数回マイナス)
現金等の推移やや減少傾向
配当実績記念配当や特別配当を含む年あり。安定性はやや低い
配当性向近年は80%超えの年もあり、無理をして配当を出している
一言診断利回りは高いが、業績の不安定さが分かる内容。無理をして配当金を出している。内容から購入はオススメできない。

果樹で例えると…「ダイドーリミテッド」は見た目にはたくさん実がなっているように見える木ですが、実は木自体が弱っていて、土の栄養も足りていない状態です。

過去の蓄え(剰余金)を削ってなんとか実をつけていますが、毎年実の数も質も落ちてきており、いつ枯れてしまってもおかしくありません。

今は一見おいしそうな実(高配当)がぶら下がっていても、長く育て続けるには向いていない果樹です。

以下にチェックリストを参考に解説をしてみます。
少し、専門的な話しも入っているので、ムズカシイと思われた方は飛ばして下さい。
チェックリストを確認しながらIR BANKの決算をみるだけでも、思わぬ落とし穴にはまる確率はグッと減らすことができますよ。

チェックリストの解説

配当利回りは9.96%ととても高いですね。
100万円分の株を買えば1年で99600円入ってくる!と飛びついてしまうと痛い目に遭いそうです。
企業の健康診断、決算を見てみると、チェックリストの赤信号に触れまくっているのが分かりました。
ここ数年は業績が振るわず、利益を出せずにいます。
ではなぜこんな高い利回りなのかというと、ひとつは業績が良くなく、株価が下がっていること。
利益が出せないと株価も配当金も期待できませんから、株が売られていると考えられます。
配当を出していない年や年々配当金額減り、剰余金の額も減っているので、身を削りながら配当金を捻出していると言えますね。
よって、投資をするのは考えたほうが良い会社と言えます。

9782 ディーエムエス

項目内容
銘柄コード9782 ディーエムエス
配当利回り7.72%
売上高の推移緩やかな増加傾向
EPS(1株あたり利益)全体的に右肩上がり、健全
営業利益率直近約5%、少し低いが範囲内
自己資本比率約60%、健全な水準
営業キャッシュフロー過去10年間黒字継続
現金等の推移安定〜やや増加傾向
配当実績リーマン・コロナ期も減配なし。安定した配当
配当性向約40〜50%、無理のない水準
一言診断配当利回りだけでなく、財務・業績・配当の安定感も良好。比較的安心感のある銘柄

果樹で例えると今はしっかり実をつけてくれていて、土壌もそれなりに整っている果樹園です。

最近は収穫量(利益)がやや減ってきていますが、「どんな年でも安定して実をつけよう」と工夫(DOE配当方針の導入)している農家の姿勢が見えます。

ただし、天候(業績)の回復がなければ、今の収穫量をずっと維持するのは難しくなりそうです。

今後も実をつけ続けられるか、しばらく様子を見ながら育てていきたい果樹です。

チャックリストの解説

2社目は「ディーエムエス」、配当利回りは7.72%と高水準。
チェックリストと照らし合わせると、悪くない内容でした。
この配当利回りの高さは会社の配当方針が、配当性向からDOE基準に変わったから。
配当性向は「利益の何%を配当に回すか」という指標ですが、DOEは「株主資本に対して何%か」という指標になります。
ここで深く説明すると長くなるので、簡単にまとめると、「配当の安定性・株主還元を考えている」という会社の方針が伺えますが、「利益成長時の配当増加の鈍化」や「財務リスク増大の可能性」もあると言えます。
会社自体が株主への利益還元を強化し、株価や資本コストを意識した経営を進める狙いがあり、それを踏まえた上で購入するかを考えましょう。
業績は減益傾向、利益成長には陰りがが見えるので、このままの配当率を維持するのは少しムズカシイかも…。
とまきちとしては今後の業績がどの程度回復するのかを見てから、購入を考えます。

5161 西川ゴム工業

項目内容
銘柄コード5161 西川ゴム工業
配当利回り7.65%
売上高の推移横ばい〜やや減少傾向
EPS(1株あたり利益)上下変動あり、近年は低水準
営業利益率約3〜4%、低水準
自己資本比率約55%、やや安心
営業キャッシュフロー黒字だが、年によって増減あり
現金等の推移ここ数年は横ばい〜やや減少傾向
配当実績一時的な増配の年あり。安定性は中程度
配当性向50〜70%、ギリギリ持続可能な範囲

果樹で例えると…土壌の栄養(利益)は少なめで、実(配当)はなんとか出してくれているけれど、
枝や葉(売上やEPS)の元気が少しずつなくなってきている状態の果樹です。

農家(企業)はがんばって収穫量を維持しようとしているけれど、
このままでは木そのものが弱ってしまい、近い将来、実をつけられなくなる可能性があります。

今は立派な実がなっていても、長期的に育てるには不安が残る果樹。
とまきちとしては、別の元気な果樹を探したいところです。

チェックリストの解説

3社目は「西川ゴム工業」、配当利回りは7.65%とこちらも高いですね。
売り上げは横ばい、もしくは減少傾向、それによってEPSも上下に変動し、近年は低水準。
営業利益率も低め、ですが、配当金はあまり減らさず維持をしているため、このままの配当利回りを維持するのはムズカシイかもしれません。
そのこともあってか、株価が下がり、利回りが上がっているようです。
配当性向を見ても、このままの配当金を維持して出すことはできなくなりそうですね。
この会社の株もとまきちとしては購入を見送ります。

結論 投資妙味のある株は?

△ ディーエムエス(9782)
 継続的な配当&財務指標の透明化はあるものの、業績が回復してきているかを観察する必要あり。

△ 西川ゴム(5161)
 一時的な実り方ではなく、安定して育てる基盤はあるが、配当性向の高さだけ注意が必要。長期観察が望ましい。

× ダイドーリミテッド(3025)
 配当が極端に跳ね上がったが、短期的な要因による“記念配当”の可能性大。すぐに飛びつくのはリスクあり

という結果になりました。

もっと個別の株について学びたい!知りたい!という方は「バク」さんの本がオススメです。
ぜひ、読んでみたください。

まとめ

  • 高配当株ランキングだけでは判断できない
    利回りが高く見えても、一時的な増配や株価下落による見かけの利回り上昇の可能性がある。
  • チェックリストで企業の健全性を確認
    売上・EPS・営業利益率・自己資本比率・キャッシュフロー・配当実績などを総合的に評価。
  • 3025 ダイドーリミテッドは注意が必要
    業績が不安定で配当性向が高く、無理に配当を出している可能性がある。長期保有には不向き。
  • 9782 ディーエムエスは比較的健全
    財務・配当の安定性があり、DOE採用で株主還元を重視しているが、今後の業績推移には注目。
  • 5161 西川ゴム工業も慎重に判断
    利益水準が低く、配当維持が難しい可能性あり。無理のないタイミングで見送りが無難。
  • 「利回りの高さ」に飛びつかず、冷静な見極めが重要
     数字の裏にある企業の状況を見れば、地雷株を避けられる。


高配当株は、数字だけで選ぶと危険な落とし穴があります。
企業の健全性をしっかり見極めることで、安心して長く育てられる「果樹=銘柄」を選ぶことができます。
焦らず、確かな一本を見つけていきましょう。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
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