「配当金で暮らせたらいいな」「高配当株ってお得そう」 そんな期待を持って高配当株投資を始める方も多いと思いますが、始める前に知っておきたい大切な前提があります。
このブログでは、普段は家庭菜園や野菜作り、農業について書いていますが、実は高配当株も「果樹栽培」にとても似ているところがあります。株を買って持ち続け、毎年「実」を収穫するという点で、感覚的にも近いものがあります。
今回は、高配当株投資をこれから考えている方に向けて、購入前に知っておくべき7つの視点を、果樹栽培になぞらえながら解説していきます。
✔高配当株ってよく聞くけど、どんな投資方法なの?
✔少ない資金でも高配当株を始められるの?
✔株を選ぶとき、どんなことに気をつければいいの?
<プロフィール>
兼業トマト農家/調理師/FP2級資格保有
農と暮らしとお金をつなぐブログを運営中。
約10年間トマト農家として働き、現在も家庭菜園でさまざまな野菜を栽培しています。
農業の現場で培った知識と経験に加え、調理師資格やFP(ファイナンシャルプランナー)2級の視点から、
野菜の「育て方」「保存」「食べ方」「経済的価値」まで幅広く発信中です。
2015年:飛騨統一圃場審査にて、岐阜県園芸特産振興会長賞(最優秀賞)を受賞
2020年:高配当株投資をスタート
2023年:野菜加工事業「野菜加工 とまきち」開始。冬季は焼き芋・干し芋を販売
当サイトでは、家庭菜園や農業でのつまずき・発見・工夫を中心に、
「野菜のある暮らし」や「節約・資産形成に役立つ視点」をわかりやすく紹介しています。
2025年6月4日時点
※今回紹介している記事の中に株の銘柄が出てきますが、必ず資産がプラスになることを保証するものではありません。購入の検討などは自己責任で行なってください。
高配当株は“キャピタルゲイン狙い”ではない

高配当株は、株価の値上がり益(キャピタルゲイン)を狙う投資ではありません。
むしろ「株を持ち続けて、配当金を定期的に受け取る」ことが主な目的です。
株価が大きく上がることは少なく、元本が増える投資ではないという前提で始めましょう。
【果樹でたとえるなら】
果樹は一度植えたからといって急に大きくなったり高く売れたりはしません。ただ、毎年コツコツと実をつけてくれるもの。高配当株も、収穫の喜びを長く楽しむためのものです。
まとまった元本”が必要な投資スタイル
高配当株で得られる配当は、年利で3〜4%程度が一般的です。 たとえば、年12万円の配当金を得たい場合、税引後で約400万〜500万円の元本が必要になります。
小額で始められますが、しっかりと放置して得るには、ある程度まとまった資金が必要です。
【果樹でたとえるなら】
果樹は大きくなるほど実りもたくさんなります。ある程度の木の数がないと、毎年の収穫は限られます。
日本株の高配当投資は“分散が基本”

アメリカには高配当株を効率よく分散投資できるETFや投資信託が充実していますが、日本ではそのような魅力的な商品はまだあまり整っていません。 そのため、日本株では個別株を買い、自分で分散投資することが基本となります。
目安は50〜80銘柄。リスクをできるだけ小さくし、配当を長く貰い続けるための策略が必要です。
【果樹でたとえるなら】
果樹は一本だけだと病気や台風なっで収穫が少なくなったり、そもそも収穫が出来ないことも。違う地域や場所で、数種類の果樹を育てることで安定した収穫が期待できます。
アメリカ株はETFで効率よく分散できる
日本とは違い、アメリカ株はVYMやHDV、SPYDなど、優良な高配当ETFが数多くあります。 ETFを使えば、個別株を選ばなくても、少額で効率的な分散投資が可能です。
【果樹でたとえるなら】
自分で木を選んで植えるのではなく、もともと結果を出している「実績ありの果樹園」を分けて買うようなものです。
日本株とアメリカ株は“半々”が現実的

アメリカ株は成長性があり、投資対応も良くルールも整っていますが、一方で為替リスクがあるのは大きなデメリットです。 せっかく配当をもらっても、円高で利益が減ることもあります。
そのため、配当を円で受け取れる日本株も一定割合は持っておくのが安全です。
【果樹でたとえるなら】
アメリカ株は豊かに実る果樹園のようなものですが、遠い土地にあるため、運ぶ途中(為替)で実が傷んでしまうことがあります。
せっかくの収穫(配当)も、円高になれば価値が目減りしてしまうのです。
だからこそ、自分の畑で育てられる日本株という果樹も持っておくと安心です。
近くで収穫できる果実(配当)は、運搬のリスクが少なく、確実に手元に届きます。
海外の実りと国内の実り、どちらもバランスよく育てることが大切です。
新興国株には要注意
新興国は政策や経済ルールが一転しやすく、思うように投資が出来ないこともあります。 高配当目的で個別株に手を出すのは、リスクが高いので避けた方が無難です。
【果樹でたとえるなら】
みたこない種類の果樹を買って植えても、気候や土壌に合わず実りがつかないことも。安全性を重視しましょう。
企業分析は必須

高配当株を選ぶとき、利回りの高さだけで決めてしまうのは危険です。 経営での利益率、投資家への返還率、資本の比率、これからの成長率など「その企業が未来も配当を続けられるだけの力があるか」を見分けるための、基本的な分析は必須です。
【果樹でたとえるなら】
今年たくさん実がなったとしても、昨年はどうだったか?来年、再来年は?
病気になっていないか、水分や養分をしっかり樹に蓄えているのか?
今の樹の状況だけでなく、過去の状況を参考にし、未来の状況も考える視点が重要です。
まとめ
- 高配当株は「値上がり」を狙うのではなく、「毎年の配当」をコツコツ受け取る投資。
- 収入を得るにはある程度の元本が必要。少しずつでも育てる意識が大切。
- 日本株は自分で銘柄を分散して育てる必要がある。50〜80銘柄を目安に。
- アメリカ株はETFを使えば少額で効率よく分散できる。
- 為替リスクを考えると、日本株とアメリカ株をバランスよく持つのがおすすめ。
- 新興国株はリスクが高く、果樹で言えば“育てにくい環境”なので避けるのが無難。
- 配当を出し続けられる企業かどうか、数字を見て“健康な樹”か見極めることが重要。
高配当株は「毎年収穫のある果樹」を育てるような投資です。
そのためには、基本を理解し、健全な木を選び、時間をかけて育てていくことが大切です。
次回の記事では、実際にどんな解析をすれば「健全な果樹」を見分けられるのか。 企業分析の基本について解説していきます。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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